ストーリーマップとビジネス価値

製品またはサービスを開発するためのアプローチは、漸進的な進め方と反復的な進め方の2つのアプローチがあります。次の図は、2つのアプローチの違いを示しています。

アジャイルDevOps環境では、両方のアプローチを使用して製品を開発します。既存のパーツまたは機能に基づいて構築する必要がある場合(反復的)や、新しい機能を追加する必要がある場合(漸進的)があります。アプローチに関係なく、目標は毎回完全に機能する製品を提供することです。完全に機能する製品を開発するために不可欠な部品や機能の最小数を検討することは、開発業務の優先順位付けに役立ちます。つまり、製品に不可欠な最小増加分の分析に役立ちます。増加分を決定した後、各パーツの最小増加分を(漸進的に)構築して、実用最小限の製品(MVP)が開発できます。MVPの準備ができたら、時間の経過とともにより良い製品を開発するために、最初に拡張する必要のあるパーツを選択するか(反復的)、新しいパーツを追加(漸進的)するかを選択できます。ストーリーマッピングはまさにこのアプローチを採用しています。

ストーリーマップは、(要件のリストである)バックログの2次元ビューです。これは、バックログにあるすべてのストーリーのマップのようなもので、カテゴリによる優先順位付けを容易にします。このカテゴリは、製品を強化する為に価値のある(市場性のある)機能セットが「一緒に属する」機能群です。各機能セットはスライスと呼ばれます。それは完全に想定された製品から切り取られたスライスのようなものです。スライスはストーリーマップの行になります。各スライスには、製品の重要な部分(写真のパズルのピース)の一部またはすべての拡張機能が含まれています。製品の重要な特徴は、ストーリーマップの列になります。ストーリーマップの下の方は、「より洗練され、高度な」パーツが開発されます。

最初のスライスは製品の最初のバージョンであり、「ウォーキングスケルトン(最小限の実装)」と呼ばれることがよくあります。これは酷いかもしれませんが、動きはします。理想的には、顧客やその他の利害関係者からフィードバックを得るのに使用できるのはMVPです。ただし、受入れ可能な実行可能製品を提供する前に、1つ以上のスライスを実装する必要がある場合があります。この場合、前半のスライスの目標は、使用されているテクノロジーに関する知識の取得や開発コストの見積もりの​​改善など、(技術的な)リスクを軽減することになりますが、そのようなスライスは可能であれば避ける必要があります。結局のところ、顧客は、テクノロジーや開発プロセスに関する知識ではなく、開発された製品で価値を決定します。

各スライスは製品に追加され、より価値のあるものになります。次のグラフは時間の経過に伴う価値の成長を示しています。

最初は、価値がゆっくりと上昇します。知識や経験が蓄積されると、機能を追加または強化することで、価値をより迅速に追加できます。最終的に、製品は多かれ少なかれ完成しますが、さらに機能を追加することは、ますます価値が低くなると言われています。特に製品ライフサイクルが終了したときに、新しい機能を追加するための投資が還元されることはありません。次の円グラフは、機能の使用法を示しています。したがって、役に立たない、または価値の低い機能を構築することは避けてください。ストーリーマッピングは、機能の価値について明確に考えるのに役立ちます。

出典: DASA DevOps Professional – Enable and Scale coursebook