DevOpsにおけるチームの自律性を確保するための境界の定義

チームの自律性は、DevOpsにおいて中核的な価値基準です。チームとは、責務を制限するための特定の境界を定義することによってのみ、必要な全てのことを遂行し、責務を果たすことができるものです。境界を定義する際に考慮すべき特質は、次のとおりです:

  • 側面 1:小規模グループで管理可能なサービスやシステム(またはその一部)を判断する方法は、次の観点から検討することができます:
    • テクノロジーの観点として、(一連の)コンポーネントを中心としたチームを形成
    • ビジネスの観点として、ビジネスサービスを中心としたチームを形成
  • 側面 2:明確なビジネスオーナーシップが得られるように、ITとビジネスを調整することが効果的です。
  • 側面 3:アーキテクチャの役割も重要になります。例えば、モノリスがあると、チームを小さく保つことや、ビジネスニーズに迅速に対応できるように機敏さを保つことが難しくなります。
  • 側面 4:理想的なインフラストラクチャは、必要に応じて必要な環境の作成と解体を可能にするクラウドをベースとすることです。このような理想的な状況は、DevOpsチームにとって必ずしも(直接的に)必要なわけではありません。最も極端な形では、インフラストラクチャを意識することなく、ビジネスサービスだけに集中できます。

確立されているIT組織や、大規模なIT組織におけるチームの自律性は、相互に作用するシステムまたは、サービスに関連しています。したがって、どのようなシステムにおける変更も、変更するシステムと相互作用する他のシステムやチームに依存することになります。そのため、チームの規模とその自律性のバランスをとりながら定義していくことが不可欠です。大規模なチームになることをできるだけ避け、できるだけ自律的に機能するチームにします。

出典: DASA DevOps Product Owner コーステキスト