DASA ブログ「事例:アジャイルな組織変革」
2019年1月17日、Transavia(1*)の本社にて、DASA(DevOps Agile Skills Association)とCIO Platform Nederland(*2)の共催で、非常にインタラクティブなイベント「Fit for the Future」が開催されました。
著者はTransavia(1*)とABN AMRO Bank(3*)によるアジャイルとDevOpsの旅で得た貴重な教訓を聞いた後、組織設計(Organizaiton Design)をテーマとしたブレイクアウトセッションのファシリテーターとして参加する機会をいただきました。
このワークショップの目的は 、組織が直面している激動の市場に対処するために、 自己組織化チームに向けて真の組織変革を推進する実用的な方法を共有することでした。
まずは、業界のリーダー的なグループが、組織にとってアジャイルやDevOpsを採用する妨げになっている、いくつかのボトルネックを特定しました。主なボトルネックは次のとおりです。
- プロダクトオーナーは、事業側から一方的に作業依頼をうけるだけで、チームは複数の作業や優先順位の間で行き詰まっている。
- サプライヤ自身が自律型やT字型の組織になることに慣れてないか、興味が無い。
- チームは他のチームからの、相反する目標と優先順位に直面している。
- スケーリングフレームワーク(SAFeなど)はガイダンスを提供するが、運用(Ops)部分にはあまり触れていない。
- 運用指向の専門家が開発チームに加わったとしても、開発チームのメンバーはあまり喜ばない。
- 組織の再設計。複雑でやりがいがあり、多くの利害関係者に「なぜ」を理解してもらうことを要する。
- 部分的に間違ったガバナンスとKPIを使用し続けていて、マネージャーは、チーム要員の行動を新しい働き方に変えられない。
- 協業するための旗振り役の代わりに、アーキテクトが内部監査官のような行動をする。
これらの主要なボトルネックについて議論した後、グループではこれらを軽減するために、以下のような複数のグッドプラクティスを定義しました。
- チームで明示的にカラーコーディングを使用して、さまざまな種類の仕事とさまざまな関心事(技術的負債など)のバランスをとる。
- 全体的な製品目標への貢献度を高めるために、全てのサプライヤを大部屋(big room)に招待する。
- チーム間の部分最適を防ぐため、明確に共有された目標で価値のある流れを作り出す。
- 利用可能なフレームワークの基本的な必須要素に基づいて、常に特定の組織の状況に合わせて作業方法を定義する。
- 運用関係者のみが、週末や夜間の電話対応することが無いことを確実にするために、チーム内のコラボレーションと知識共有を強化する。
- チーム全体の優先順位付けメカニズムに、規制面とコンプライアンス面を一貫して含め、ライフサイクルを通してリスクとコンプライアンスが確実に考慮されるようにする。
同グループは、組織構造の変更はアジャイルまたはDevOpsの変革における持続可能な変化のための基本的な要素であると結論付けました。 組織内の根底にあるガバナンスおよび管理構造を、自己組織化およびクロスファンクショナルチームをサポートするように変更しなければ、基本的に新しい作業方法に移行することは事実上不可能です。 言い換えれば、文化は構造に従います。
1* Transavia オランダのLCC(航空会社) 2* CIO Platform Nederland オランダ国内に拠点を持つ企業のCIO / CDO およびデジタル技術を使用する大規模ユーザーのITプロフェッショナルのための協会。 3* ABN AMROBank オランダ最大手の銀行